【台湾自転車旅2017 Day7】便利さが、僕を「甘く」させる

台湾人の朝は、はやい。
 
3日間滞在した高雄のホステルを、午前5時に出発し「嘉義」へ走り始めた。辺りは暗く、街も静か。だけど、朝食屋さんはすでに開店しお客を待ち構えている。早朝の出発で、ホステルの朝食が食べられなくてもエネルギーを摂れるから、ありがたい。
 
国道からひとつ入った路地裏で、せっせと働くおばちゃんが出してくれた鶏肉と出汁がかかったごはん1杯を胃の中にかきこみ、日がのぼってくる前に自転車にまたがった。
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●平坦でほこりっぽい西側の「環島1号線」
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高雄から嘉義までは、一直線の道を走る。都市の中心部を通り過ぎると、まんべんなく人口とお店が分散した、日本の地方都市に似た「国道沿い」の雰囲気になる。交通量が多く、マスクを着用しないと走れないほど排気ガスも多い。花蓮や台東など、景観を楽しみながら走っていた東側の旅を恋しく思いながらも、極端な上り坂も爽快な下り坂もない、平坦な道のりを淡々と進んでいった。
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●台湾を走りながら思う、自分の「甘さ」
 
「甘いな、自分」。
台湾で、何度も自分に喝を入れた。そのワケは、台湾に数多くある日系のコンビニを「当たり前」のように使いそうになっているからだ。
 
海外の自転車旅で大変なのは、水分と食料の定期的な確保である。ヨーロッパの自転車旅なんかでは、山間地域へ入る前に貴重な物資を提供するお店を見逃してしまうと、いろんな意味で大変な山越えになってしまう。

しかし、先進国で過ごす日々の便利な生活から放たれ、僕たちが本来持っている嗅覚が研ぎ澄まされる瞬間(「ここで栄養補給しないと、とんでもないことになるかもしれない」といったことが本能的にわかる瞬間)こそが、ある種の快感だったりする。

台湾には、ファミマやセブンなど、たくさんのコンビニが出店されている。サイクリストにとっては、ありがたいし便利なことなのだが、当たり前のようにコンビニを利用してしまいそうになる自分の「甘さ」にはうんざりしてしまう。
 
 ●「当たり前」を選びすぎると、「新しいモノ」が閉ざされる

せっかく台湾に来ているのだから、地元のものに触れて、新しいモノを知ることが大切だと思う。しかし、見慣れているコンビニがあるということから、新しい価値観に触れようとする主体性が弱まり、コンビニを利用するという「現状維持」を選んでしまう。
 
台湾を自転車で一周するという大枠の中で、現地の文化にどっぷりとつかることをためらい、コンビニという「合理的な手段」を選ぼうとする中身の薄っぺらさは、最近の自分が、いかに「主体性」を忘れて日々を過ごしていたかを象徴していると思う。
 
 
「甘さからの、脱却」。
どこかで聞いたことのあるフレーズは、残り数日の自転車旅のマニフェストである。達成するために、まずはコンビニで水分以外の購入をやめることにした。食事を地元の商店でとれば、時間はかかるかもしれないけれど、そこでのコミュニケーションから何か生まれるかもしれない。
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高雄で生活する日本人留学生たちから、新しいことに触れる主体性や積極性をわけてもらい、残りの数日間で自分の「甘さ」を脱ぎ捨ててしまおうと決意した。
 
11/1 高雄=嘉義 120km 5h20m 総走行距離615km