Running and Thinking 松本唯人ブログ

12歳から一人旅を始め、日本全国・海外20数カ国を旅した松本唯人(23)のブログ。台湾自転車旅やイスラエル、キューバ旅など、旅先での情報や日本人留学生のインタビュー記事を不定期で更新しています。近況はinstagram(@yuito.mtmt)で更新中。普段は株式会社TABI LABOでライターとして働いています。

【台湾一周自転車旅】台湾・宜蘭を一望できる峠の先にある「自転車旅の醍醐味」(Day1)

台湾自転車旅2017が始まる。初日は、「台北=宜蘭=花蓮」だ。
 
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台湾島1周するにあたって、2回だけ山道を走行し峠を越えなければいけない。その2回のうちの1回は、台北=宜蘭間にある。公式のサイクリングガイドなどでは、台北からスタートし「西回り」で1周するのを進めているため、多くのサイクリストたちは旅の後半で「峠」に遭遇する。僕は「東回り」のため、前半が踏ん張りどころである。
 
 
 
初日からハードなルートにはうんざりしていたが、その曇った感情を一瞬で晴らすかのように峠を越えた先には、僕のチャリラーとしての「醍醐味」があった。
 
 
 
●緩やかに上る40km
 
台北のホステルを出発したのは、午前6時過ぎ。通勤や通学の時間帯で道路が混雑している台北市内を抜け出し、徐々に山間地域へと進んでいった。とはいえ、まんべんなく民家があり(セブンやファミマなどの日系コンビニエンスストアも多かった)、西回りの多くのサイクリストたちが通り過ぎていったため、「人の生活音」が途絶えるということがなく、精神的に孤独に陥ることなく走行できた(長距離走行の時は、いかに精神的な孤独から抜け出すかが重要なのだ)。
 
 
 
今回の峠は、約40kmの山道を上った先にある。距離としては長いのだけれど、「緩やかな山道」だったため、ジワリと自分を追い込むことが好きな僕には、もってこいの峠越えだった。ガイドブックがいうほど大変な坂道ではなく、短距離だけど急こう配の「箱根」の方が、キツいという印象だった。
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「なかなか峠に達しない。やれやれ」と思っていると、少し先に峠を指す看板が見えた。足の疲れを一瞬で忘れ去り、無我夢中で山道のてっぺんへと進んでいった。峠に到着しホッと一息ついて顔をあげると、休む間もなく「峠の先」にあるものが僕の高揚感を最高潮にまで押し上げた。
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そこには、太陽に照らされた真っ青な太平洋と宜蘭の田園地帯が広がっていたのだ。
 
 
 
 
●チャリラーの醍醐味、それは「海原」との出会い
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自転車旅で見る、峠越しに広く輝く「海原」ほど感動するものはない。自分の体力の限界を超えながら走り切ってから見るそれは、達成感と高揚感が交じり合い、しばらく呆然と立ち尽くしてしまうほどに見入ってしまう。これぞ、チャリラーの醍醐味であり、自転車旅で得ることのできる魅力なのではないだろうか。
 
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太平洋を横目に田園地帯を走り、宜蘭に到着した。宜蘭市街地から約20km先にある、花蓮行きの電車が出発する駅まで走行した。宜蘭=花蓮間は、断崖絶壁で自動車道路しかなく自転車で走行するには危険だったため、電車を使う。台湾を一周するサイクリストたちに配慮し、この間だけは電車内にそのまま自転車を持ち込むことができる。
 
サイクリングツーリズムを推進する、自治体の(GIANTの?)政策への本気度がうかがえた。日本の地方都市でも、ガラガラの電車をそのまま運行するのではなく、サイクリストへの解放(もちろん、ツーリズムが行われていることが前提となるが)すれば、より多くの観光客を誘致できるのではないだろうか。
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電車に揺られて80分。花蓮に到着した。
 
 
 
10/26 台北=宜蘭 110km 5h50m