台湾行きを決めた日

ANAで5万6千円。

 

JR東北本線福島行の電車に揺られながら、スマホに映る「決済」ボタンをみつめていました。出発が2か月後の羽田~台湾便の航空券は、時間がたっぷりある大学4年生のバイト代で生活費に支障なく購入できる額でした。「決めた、次は台湾だ」。何かをこんなにも即決したのはいつぶりだったでしょうか。自分の進路がどうなっているか分らない空白の2か月後に、自ら予定を組み込んだ瞬間は、不安よりも旅を決めた時に生まれるいつもの高揚感でソワソワしていました。

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  • 女川からの帰り道

8月中旬に、宮城県女川町へ行きました。現地で開かれた詩人・高村光太郎の詩の朗読会で『道程』を朗読した体験。女川の人々が未来へ向けて日々「動いている」様子。ゼロから生まれ変わりつつある町を歩いたこと。女川で過ごした日常が、僕の中で消えかけていた熱意に再び勢いを与えてくれました。

 

4月に就職活動戦線から離脱して以来、モヤモヤとした日々を過ごしていました。そんな僕を女川での体験が励ましてくれます。

 

「僕の前に道はない」。初めて人前で朗読した、詩『道程』の一節。「私は、来年もその先も続けます」。失われかけた日常を取り戻すために朗読会を毎年主催する女性の言葉。それらの言葉を聞いていると、モヤモヤとした日々から抜け出す手段が見えてきました。

 

「動かなきゃ」

 

  • 原点は「旅」

僕の前に道はない。次にこのような一節があります。

 

「僕の後ろに道は出来る」

 

僕の後ろに道を築いてきたものはなんだろう。鈍行列車に揺られながら考えていました。何度考えても、たどり着く答えは同じです。「旅」しかありません。就活を失敗したからといって、引きこもっていては何も変わりません。むしろ、挫折した時だからこそ積極的に動かないといけないのでしょう。正直、そんなことはずっと前から気づいていました。ただ、ずっと動けぬままでした。腰をあげるのが怖かったのかもしれません。周りの目が気になっていたのかもしれません。それらの不安要素の全てを、女川での体験が吹き飛ばしてくれました。

 

  • 発信力と共有力のある旅にしよう

航空券を購入した瞬間、僕の2か月後の予定が決まりました。4月以降、進路も決まらず先の予定も特になくフラフラしていました。そんな不安定な生活に、台湾行きの往復航空券が終止符を打ってくれました。

 

「どんな旅にすれば面白いだろう」

 

今の自分から脱却するためには、これまでの旅をグレードアップしなければいけないなと思いました。そこで、今回は「発信力」と「共有力」に力点を置いて旅をします。僕は、自分の何気ない行動が価値を生むことができれば良いなと日々思っています。自転車旅・台湾編も、僕の何気ない旅ですが、それをSNSやブログで発信し旅の体験を多くの人に共有してもらうことによって、何らかの価値が生まれると面白いなと考えています。

 

とはいえ、どうすれば他者から見て面白い旅になるのか、どうすれば僕の色を旅に着色できるのか分かりません。ただ、少し先に旅が待っているという、この高揚感は久しぶりです。少しずつではありますが、道のない僕の未来から道しるべとなる明かりが見えてくる気がしています。

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