Running and Thinking 松本唯人ブログ

12歳から一人旅を始め、日本全国・海外20数カ国を旅した松本唯人(23)のブログ。台湾自転車旅やイスラエル、キューバ旅など、旅先での情報や日本人留学生のインタビュー記事を不定期で更新しています。近況はinstagram(@yuito.mtmt)で更新中。普段は株式会社TABI LABOでライターとして働いています。

ドコモ・バイクシェア

 

 都会の人はよく歩く。東京で一人暮らしを始めて4年目になるけれど、宮崎県に住んでいた頃より日々歩く距離が何倍も多くなった気がする(引き換えに、自転車に乗る機会は格段と減った)。

 

 主な移動手段が電車だからであることも、理由のひとつだと思う。自宅から最寄り駅まで歩き、経由駅で乗り換え電車のプラットフォームまで歩き、そして到着駅から学校や勤務先までさらに歩く。それぞれの距離が短ければ良いが、場合によってはとてつもない距離を歩かなければならないこともある。

 

 上京したての頃は、数分単位でやってくる電車に驚いたし(宮崎では1本逃したら次の電車は30分後だ。いや、1時間後かもしれない)、雨の日でもほとんど濡れずに登校できる快適さが便利だと思った(高校まで自転車通学だった。雨の日はいつもずぶ濡れだ)。だけど、時には歩く距離が長く、移動だけで多くの時間が無駄になっていると感じる事も多い(いわゆる山手線の内側のエリアだと、自転車移動の方が電車を利用するより、出発地点から目的地までの所要時間が短い)。

 

 とはいえ、都内には自転車を駐輪する場所はけして多くはない(僕の大学では、キャンパス内への自転車の持ち込みは禁止されている)。だから、いくら自転車移動の方が便利とはいっても、駐輪場を探したり路上に駐輪して取り締まりを受けたりする労力と手間を考えると、結局は電車と徒歩での移動を選択してしまう(時間のロスを考えると、不便な場合も多い)。

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静岡県駿河湾。青空のもとのサイクリングは最高のリフレッシュだ。

 

 骨の髄から自転車マンとして、そんな状況(移動において不便な方を選択しなければならない状況)で生活していると「もっと自転車交通に関する制度が整えば便利になるのに!」と悶々としてしまう。それに、自転車利用(による適度な運動)は健康にも良いしストレス軽減にも繋がるので、歯止めなく高齢化が進み莫大な医療費(年間約40兆円)を生んでいる日本にとって、自転車交通が活用されることは、プラスの面も多いのではないかと思う(世界保健機関欧州事務局によると、定期的な自転車利用は心臓疾患・糖尿病・肥満症などの発症リスクを50%低下させ、がん予防にもなるらしい)。

 

 

 いずれは自転車交通の普及に携わりたいと思っているのですが、そんな自転車マンにとって、とても魅力的な事業を行っている企業がある。携帯電話会社でおなじみのドコモだ。

 

 

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*フランス・ストラスブール。少女が自転車に乗っている道路は歩道ではない、自転車専用道路だ。デンマークやオランダ、ドイツをはじめとする欧州の自転車交通先進国では、僕たちが安全に自転車を利用できるように、自転車道路の整備もしっかりとされている。

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*宮崎県宮崎市。ちなみに、こちらは日本でよく見かける自転車専用レーン(ブルーレーン)である。自転車マン的には、もう少し幅が広く安全が確保されていると、街中を自転車で走り回りたくなる。

 

 

  • ドコモ・バイクシェア

 株式会社ドコモ・バイクシェアは自転車のシェアリング事業を、都内(千代田、中央、港、新宿、文京、江東・大田区など)を中心に全国規模で行っている(自転車のシェアリングエコノミーだ)。少し前から関心があったので、今回は直接連絡をして取り組みについてのお話を聞く機会を作っていただいた(勉強になりました)。基本的な事業内容については、ホームページを参考にしてください(http://www.d-bikeshare.com/)。

 

  • みんな感じている、時間のロス

 ドコモ・バイクシェアは、全国19カ所を拠点としていて、5489台の自転車を設置している。その多くの4210台は都内で利用されている(2017年4月末時点)。

 国内外からたくさんの観光客がやってくる都内だと、観光のために利用される機会も多そうだが、日常の足として利用される機会も多いらしい。時間を余るほどに所有している学生の僕でさえ移動時間のロスを気にするくらいだから、仕事をしている大人たちにとってサイクルシェアを利用することで移動時間が節約できるのはとても便利な事なのだろう(自転車の維持管理費や駐輪場代を考えると、サイクルシェア利用の方が安く、コストパフォーマンスも良い)。

 

  • 社会課題解決というお仕事

 僕は、通信会社のドコモがなぜサイクルシェアの取り組みを始めたのか、ずっと疑問に思っていました。聞いてみると、2008年頃から通信事業以外のことで社会課題解決(ソリューション)事業を行おうという提案があり、環境事業の一環としてサイクルシェア事業を始めたそうです。 

 これはとても大きな発見となりました(いまさら、気づきました)。これまで(1か月前まで)、記事を書くことによってある社会問題についてより多くの人に知ってもらい議論の場を作ることで社会課題解決に携わりたいという理由から、新聞記者という職業にこだわっていました。

 ですが、メディアにこだわらなくてもドコモ・バイクシェアのようにサイクルシェアという直接的な事業として社会課題解決に携わっていくことも、ひとつの選択肢なのではないかと思いました(世紀の大発見です)。僕の場合は、自転車交通の推進・活用や持続可能な街づくり政策(モデルはドイツの環境先進都市)を自分の取り組みの軸にしたいと思っているので、すでにそれらの事業を行っている会社で働くという選択肢は、職を探していく上で考慮すべき重要なポイントなのかもしれません。

 

 

 なにはともあれ、まずは足を運んでみる。唯一の僕の長所が、役に立ちました。今回は、ドコモ・バイクシェアの方からお話を聞くことができ、とても良い学びとなりました(残念ながら、新卒採用は行っていないそうです)。これだけ関心があると言いながら、実はまだドコモ・バイクシェアのサイクルシェアを利用したことがありません(なんて不届きモノなのでしょうか)。近々、皇居周辺で利用してみたいなと思います。どなたか、一緒にサイクリングしませんか?