【中東・中米旅2018】イスラエル編4 『パレスチナ自治区ベツレヘム#1』

毎年、宮城県女川町で詩人・高村光太郎の朗読会が開催されている。去年の夏、就職活動に行き詰っていたぼくは「詩でも朗読してみよう」と思って東北へ足を運んだ。朗読する詩を決める必要があったので、新宿の紀伊国屋書店高村光太郎を探していた。結局、ぼくを誘ってくれた方の薦めもあって『道程』を朗読したのだけれど、詩集『智恵子抄』にはこんな一節があった。


“冬の朝なれば ヨルダンの川も薄く氷たるべし”

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「ヨルダン」。どこか聞いたことのある、異国の地の響きがした。ヨルダンの川とは、ヨルダンとイスラエルパレスチナ自治区の国境として、シリアのゴラン高原から死海に流れているヨルダン川のことらしい。当時、ぼくには関係のない遠い国について詠んだ一節だと思っていた。でも、それから半年。ぼくは、そのパレスチナ自治区を訪れている。

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渋滞もあって、エルサレムから約1時間バスに揺られるとパレスチナ自治区ベツレヘムに到着した。バスから降りると、数名のタクシーの運転手たちが近寄ってきた。タクシーで観光スポットに連れて行ってやるという勧誘なのだが、ベツレヘムでは町歩きすること自体に関心があったので断った。彼らはしつこくついてくるかと思いきや、思いのほかさっぱりとしていて、メインの「聖誕教会」までの道のりをぼくに告げると去っていった。Maps meでダウンロードしておいた地図と、運転手たちの言葉を照らし合わせて、人の集まる声が聞こえるアラブ市場スークへと歩いていった。

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町の中心にあるメンジャー広場からは、イエスが誕生した場所とされている「聖誕教会」が見える。きっとこの教会も、あの「ベツレヘムの歌」の歌詞のなかに登場しているはず。制服を着ていたころの記憶を思い返しながら、「謙虚の扉」とよばれる小さな扉から中へと入った。

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ベツレヘムは、ぼくにとっては少しだけなじみのある場所だった。ぼくが通っていた中高では、毎年「クリスマスのつどい」とよばれる行事が行われていた。そのなかで、合唱部が歌う曲のひとつに「ベツレヘムの歌」という一曲があった(正式な曲名は覚えていない)。中学1年生のころにはじめて聞いたその曲は、「ベツレヘム」という地名を何度もくり返す歌詞が印象的で、ずっと覚えていた(おそらく黒い羊が登場する曲だったと思う)。だから、イスラエル行きの航空券を購入したときに、エルサレムベツレヘムには何があっても行きたいなと思っていた。

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そして、ベツレヘムでも訪問したい場所があった。(つづく)

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2018年2月15日 エルサレム Abraham HOSTELS