【イスラエル旅】テルアビブのベン・グリオン国際空港から入国した初日(中東中米旅#1)
アジア人が、めずらしいのだろうか。テルアビブに到着し、ベン・グリオン国際空港の入国審査に並んでいると、ユダヤ教の民族衣装である小さな帽子「キッパ」を頭に乗せた人たちにチラチラと見られた(とくに子どもたちにはジロジロと見られた)。
この「見られる」という感覚は、久しぶりのものだった(2011年のスペイン自転車旅以来だと思う)。ぼくの中で「見られない」ことが当たり前になっていたのはここ数年の間、ぼくがドイツや台湾、中国などたくさんのアジア人が訪れている場所にしか行っていないからでもあり、世界中のコミュニティにアジア人(とりわけ中国人)が進出しているからでもあると思う。だからこそ、自分が「異質」であることを気づかされる眼差しを受けるのは新鮮な感覚だった。
「そうか。ぼくはアジア人がめずらしく思われる国に来たのか」
向けられた視線によって、自分がアジア人にとっては王道とは言えない観光地にやってきたことを気づかされた。
入国審査を終えタクシーに乗って、中心部にあるホステルに向かった。木曜日のテルアビブの街中は、イスラエルの安息日前夜ということもあり、多くの人で賑わっていた。海に面したリゾートエリアは綺麗に整備されていて、ハイソサエティな感じがしたけれど、ときおり鳴り響くクラクションと隙あらば先に進もうとする荒い運転が、ぼくに安心を与えてくれた。
2017年2月9日 テルアビブ Abraham Hostel