Running and Thinking 松本唯人ブログ

12歳から一人旅を始め、日本全国・海外20数カ国を旅した松本唯人(23)のブログ。台湾自転車旅やイスラエル、キューバ旅など、旅先での情報や日本人留学生のインタビュー記事を不定期で更新しています。近況はinstagram(@yuito.mtmt)で更新中。普段は株式会社TABI LABOでライターとして働いています。

【台湾自転車旅2017 Day10 特別編】沖縄から、台湾へ。「日本ではできない経験」を求めて、台湾留学を始めた女子学生/日本人留学生インタビュー×国立嘉義大学

「友達を、紹介します」
 
宮崎出身という共通点からつながり、台湾自転車旅の初日に台北で初めて会った留学生の佐々木さんから連絡があった。台湾を一周する自転車旅が終わった翌日、佐々木さん1人にインタビューする予定だったのだけれど、急きょ1人増えて日本人留学生2人にお話を聞くことになった。

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「どんな留学生に会えるのだろう」。自転車旅のほどよい疲労感と、新しい人に会える高揚感をたずさえて、集合場所である台北の中心地「中山」へと地下鉄で向かった。
 
 
●日本人留学生インタビュー×国立嘉義大学
 
今回お話を聞くのは、諸喜田真子(しょきた まこ)さん。台湾南部の都市・嘉義にある国立嘉義大学で食品科学を専攻する、大学2年生。タイミングよく、私用で台北に来ていたので、お話をきいた。
 
 
 
松本:はじめまして。「自転車で旅しながら、留学生にインタビューをしている」という怪しげな誘いに食いついてくれて、ありがとうございます(笑)
 
諸喜田:はじめまして。面白そうだったので、誘いにのっちゃいました(笑)。よろしくお願いします。
 
 
●浪人生活を経て、日本ではなく台湾の大学へ進学
 
90分後に嘉義へ帰る電車に乗らなきゃいけないということなので、少し駆け足になりますがよろしくお願いします。まずは、この質問から。台湾留学を決めたのは、どのようなキッカケだったのでしょうか?
 
 
高校卒業後、浪人生活を送っていたころに「このまま当たり前のように、日本の大学に進学して自分は成長できるのだろうか」という疑問が生まれたことがキッカケです。
 
もともと、JICA国際協力機構)などの海外で働くことのできる機関で看護師として働きたいという目標がありました。それにむけて、高校3年生のときは地元にある琉球大学保健学科を受験したのですが、落ちてしまって浪人生活を始めました。
 
 
浪人生活はどれくらい続けたのですか?
 
 
1年間続けました。最終的に、センター試験まで受験しましたが、浪人期間中に「留学しよう」と決めていたので、国内の大学にはあまり関心は向けていませんでした。私にとっては、「海外で働く」ことはとても大きな目標でした。そこで、海外の大学に留学し自分を取り巻く環境を変えることが、国内進学よりも自分の成長につながると思いました。それが、留学を決めた一番の理由です。
 
 
数多くある留学先の中で、どうして「台湾」を選んだのですか?
 
 
英語と中国語を学ぶためです。それと、学費が安い…(笑)
 
 
 
学費、めっちゃ安いですよね。これまでお話を聞いた留学生たち全員が、口をそろえて言っていました(笑)
 
 
●父から送られた3つの「言葉」
 
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中国語の勉強はどのようにされたのですか?
 
 
浪人生活後に、茨城県守屋にある「台湾留学サポートセンター」で約半年間、中国語を猛勉強する予備校生活を始めました。せっかく浪人生活を終えたのに、もっときつい予備校生活の始まりです(笑)
 
 
例の予備校ですね。前回インタビューした、高雄の大学に通う福井くんは「絶対に戻りたくない」と当時の寮生活を振り返っていました。やっぱり、きつかった?
 
 
結構、楽しく過ごしていました(笑)。もちろん、それまで勉強したことのなかった中国語で生活を送るわけですから、自分の思いをうまく伝えることができないといった勉強だけではない「ツラさ」はありましたけど、相部屋や同じ寮になった同級生たちと助け合いながら生活できていたので、楽しく過ごすことができ良い思い出になりました。
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なにより、私は逆境におかれた方が燃えるタイプなんです(笑)予備校生活や台湾での生活など、ツラくてに折れそうになったことは何度もありますが、その状況を乗り越えると「成長できる」と思うと頑張れます。
 
 
ストイックですね(笑)。諸喜田さんの話を聞いていると、厳しい環境を耐え抜いてきた人が持っている特有の「強い意志」みたいなものが垣間見えます。それに、言葉に「重み」を感じます。ツラくて折れそうになったときは、どのように乗り越えているのでしょうか。
 
 
お父さんからもらった「言葉」を思い出します。20歳になったときに、父から「素直」「プラス思考」「勉強」という3つの言葉をもらいました。
 
台湾での生活を始めたころに、日々の勉強や文化・環境に適応することに疲れて父に電話したことがあります。そのとき「3つの言葉を覚えているか?」と聞かれ、覚えていたはずなのに「素直」しか答えられませんでした。そうすると、「思い出せなかったふたつの言葉が、今足りてないことだよ」と言われハッとしました。
 
 
つまり、「プラス思考」と「勉強」が足りていなかったと?
 
 
そういうことです。マイナス思考になって、勉強に手がつかなくなっていました。生活環境が変わって、自分を客観的に見つめることができなくなっていたのだと思います。それ以来、ツラくなったときは父からもらった「言葉」を思い出して、自分に何が足りていないのかを考えて、逆境を乗り越えるようにしています。
 
 
●台湾での大学生活と今後の進路
 
 
台湾で生活を始めて、1年が経過しました。大学生活は、いかがですか?
 
 
勉強に部活と日々忙しく過ごしていますが、とても楽しいです。なにより台湾が、大好きです。
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大学では、ソフトボール部に所属しています。台湾では、人口の多いスポーツではないので男子に混ざってプレーしています(笑)。とはいえ、チームメイトたちは高校や大学から始めた人たちばかり。中学から、しかも日本の「部活」というスパルタな環境でプレーしてきた私の方が「できる」場面も多い…。でも、そこが良いのです。チームメイトの練習のお手伝いやルールの説明など、長年続けてきたスポーツを通して、ささやかであっても私の学んできたことを台湾に還元できると良いなと思っています。
 
 
大学卒業後の進路について、教えてください。
 
 
「海外で働きたい」という気持ちに、変わりはありません。高校を卒業したときは、看護師として働くことを考えていましたが、大学での専攻は「食品科学」です。今では、「食」という分野から国際貢献に関わりたいと思っています。残り2年間の大学生活で、より具体的に考えていきたいです。
 
 
諸喜田さんの話を聞いていると、「2年前の自分」について考えさせられます。当時の僕は、こんなにも自分の将来について言葉にできたのだろうか、と。今回の旅も、自分の言葉で人に伝えることができるといいなと思います。
 
最後に、海外留学について関心のある中高生たちに一言お願いします。
 
 
海外で生活し学ぶことは、「人とは違う経験」が必ずできます。私にとっては、その経験が自分の成長につながっています。ただ、何事も「信念」がないと続きません。何かを諦めそうになっても、そこでさらに自分を追いつめて試練を乗り越えられる信念を持つことが大切だと思うし、いつも自分に言い聞かせています。
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これから海外に留学したいと考えている方、まずは「信念」を持って行動することから始めてみると良いのではないかと思います。
 
11/4 台北・中山にて 
 
【プロフィール】
 諸喜田真子(しょきたまこ)。沖縄出身。高校卒業後、1年間の浪人生活と半年間の中国語予備校生活を経て、国立嘉義大学食品科学学部に進学。大学では、ソフトボール部に所属。休日は、授業の予習復習に部活の練習や試合と忙しく過ごしている。大学卒業後は「海外で働く」ために、まずは日本国内で就職する予定。趣味は、運動や日記をつけることで、好きな言葉は「活到老學到老(習うは、一生)」。