【台湾一周自転車旅】台東の海岸沿いの景色は、慣れ親しんだ宮崎・日南海岸のようだった(Day3)
台東の街を抜けると、そこは「日南」だった。
(台東以南の「太麻里郷」からの景色)
台湾島の、東側から西側へと向かう。早朝6時にホステルを出発し、峠のふもとに向かって海岸沿いを走る。
台湾へやってきて4日目、ようやくここが「沖縄より南の島」であることが分かってきた。目の前を流れていく景色は、熱帯気候のもとで育まれる特有の自然。気温は、11月になろうとしているのに20度を超える。そして、なによりも日差しが強い。コートが必要なほどに寒くなった東京からやってきた僕は、この時期でも台湾が「真夏の気候」であるということを、すっかり忘れていた。
日焼け止めクリームを一人暮らしのアパートに忘れたことを悔やみつつも、海を横目に先へと進む。上下左右にぐねぐねと曲がった海岸沿いを走っていると、そこから見える景色がどこか見慣れたものであることに気づいた。
(宮崎県・日南海岸の景色)
台東から南下する海岸沿いは、まさに地元・宮崎県の「日南海岸」と同じような、常夏の景色が広がっていたのだ。砂浜にぶつかる波の音、ゆるやかに曲がる海岸線、そして真っ青な空。それらは幼いころから慣れ親しんだ、日南そのものだった。「そういえば、僕のチャリラーとしての長距離デビューは、日南海岸65kmだったな」。9歳の夏に、たくさんの大型トラックが通る国道の狭い側道を必死で走ったことを思い出しつつ、新しく舗装された堤防にぶつかりはじける高く大きな波のしぶきを受けながら、遠くに見える海岸線を目指した。
約60kmの海岸沿いの道のりを終えて、峠を上った。約20kmの「寿峠」は、台北=宜蘭間の峠とは比にならないほどのキツさ。急こう配かつ長距離の、山道だった。峠に到着すると、メインの道路からはずれ、昔ながらの村を通る道へと入っていった。哀愁を感じる村落を抜けて、西側最初の街である「車城」に到着した。
10/28 台東=車城 125km 7h30m